読書リストに追加したい日本の小説4選

寒い夜の過ごし方として、ゆったりと腰を落ち着けて、温かいココア片手に素敵な本を読むことに勝るものはありません。では、今年の冬にはどんな本を読めばいいのでしょうか?そんなお悩みをお持ちの方には、日本の小説を読書リストに追加して、文学の世界に飛び込んでみることをオススメします。ここではオススメの小説をお探しの方に是非読んでいただきたい、小説4選をご紹介します。

もしもし下北沢 – 吉本ばなな

吉本ばななの「もしもし下北沢」は、家族、コミュニティ、喪失、おいしい食事を描いた、少し変わった成熟の物語です。20代の女性である主人公のよしえは、知らない女性との不可解な無理心中によって父親を喪います。

よしえと母は悲劇を乗り越えようとしますが、過去からは逃れられそうにありません。悲しみは彼女について回り、夢の中でも彼女に取り憑き、東京で新たな生活を築こうとする彼女の障害となります。人が痛みと向き合うことについて描いた本作は下北沢へのラブレターでもあり、登場人物たちが下北沢のビストロ、ラーメン屋、カフェなどを巡る描写が数多く登場します。

容疑者Xの献身 – 東野圭吾

ページをめくりながら常に緊張感が途切れないサスペンスミステリーがお好きですか?そんなあなたなら、東野圭吾による探偵ガリレオシリーズの第3作である「容疑者Xの献身」を気に入るはずです。

シングルマザーである主人公の花岡靖子は、暴力的な元夫との大喧嘩の末に、彼を殺害してしまいます。この喧嘩の成り行きを聞いていた隣人は、遺体の隠蔽に手を貸します。彼らの計画は順調に進んでいましたが、探偵ガリレオが捜査に加わることで流れが変わります。読者は、お互いを出し抜こうとする靖子とガリレオの激しい頭脳戦に引き込まれます。本作は現時点での東野の最高傑作と言えるかもしれません。読んだ後には、社会問題についていろいろと考えさせられる作品です。

Desire – 村上春樹

小説に詳しくない人でも最も有名な作家である村上春樹の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。5つの短編を収録した最新の短編集である「Desire」は、欲望、理解への飢え、つながり、心が満たされるということ、心酔、憧れなどがテーマになっています。いつもどおりの村上らしいエモーショナルな散文と、想像力に溢れる文体が見事な短編集です。これだけ人気のある作家ということで逆に疑問を抱いている方もいるかもしれませんが、その人気にははっきりとした理由があります。一度読んで見れば、あなたもきっと衝撃を受けるでしょう。 

吾輩は猫である – 夏目漱石

この冬は、古典作品を読んでみたくありませんか?そんなあなたには夏目漱石の「吾輩は猫である」がオススメです。当初は1905年に短編小説として発表された本作は、可愛らしい猫の視点から人間の本質や社会を描いています。主人公の猫は、学校の先生から神父まであらゆる人々に目を向け、激しく動いていた当時の社会を独自の視点で分析していきます。日本文学の傑作の1つである本作は、一生に一度は読んでおくべき小説です。